スタッフブログ

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Duolingoに見る「学習継続の仕組み」

2025.08.05
Duolingoに見る「学習継続の仕組み」

Duolingoは、世界中で最も利用されている語学学習アプリのひとつです。知り合いの方に薦められて家族で使い始めてから4ヶ月ほどになりました。学習が継続しやすくなる工夫が随所に見られ、教育的にも興味深いものでした。今回はその体験と分析をお届けします。

学習状況のビフォーアフター

ユーザー連続日数学習開始時現在の様子
115TOEIC730程度、簡単な会話ができる変化はあまり感じられない
124変な英単語をたまに発する発音が改善し、to不定詞も使えるようになった
小5125学校の英語学習のみ安定して取り組んでいる
小1117英語学習の経験なし“My grandma is from Tokyo.”が読めて書けて発音もよい

広告ありの無料版を使っていますが、4ヶ月近く家族全員が継続できているのは、なかなかすごいことだと感じています。以下に、教育心理学・行動科学の視点から見た学習継続の仕組みを紹介します。

1. マイクロラーニングの活用

  • 特徴:1レッスン約5分と短時間で完了
  • 教育的意義:
    • 認知負荷を軽減し集中力を維持
    • 「少しだけ」の気持ちで始められる
    • 隙間時間を有効活用

2. ゲーミフィケーションによる動機付け

  • 仕掛け:ストリーク、XP、リーグ、報酬バッジ
  • 教育的意義:
    • 即時フィードバックでやる気を引き出す
    • 競争より「刺激」を意識させる設計
    • 義務感より「やりたい」気持ちを生む

3. リマインダーと環境設計

  • 機能:プッシュ通知、メールリマインド
  • 教育的意義:
    • 習慣化の「きっかけ」を提供
    • トリガー → ルーチン → 報酬 の流れを促進
    • 忘却防止のナッジとして機能

4. エラーに寛容な設計

  • 特徴:スペルミスに寛容、やり直しが容易
  • 教育的意義:
    • 心理的安全性を確保
    • ミスを許容することで内発的動機を保つ
    • 成長マインドセットを育む

5. 可視化された学習履歴

  • 例:進捗グラフ、単語の習得状況、週・月ごとの成果
  • 教育的意義:
    • 自己効力感を高める
    • 少しずつの進歩を実感できる
    • メタ認知を促進

6. フォロー関係による学習促進

  • 例:他ユーザーの可視化、称賛、フレンズクエスト
  • 教育的意義:
    • 社会的動機づけ
    • ピア効果(周囲の影響)
    • 協同学習による支援と刺激

▼ 個人的な感想

  • フォローし合うことで自然と続く
    知り合いが頑張っていると自分もやる気になる
  • ゲーミフィケーションの力は大きい
    大人も子どもも「遊び感覚」で続けられる
    英語レベルの差があっても同じリーグ内でXPで競える
  • アプリだけでの学習には限界がある
    年齢や理解力に応じた補助教材の併用が必要
  • 遊び心にあふれたDuolingoのキャラクター設計も魅力のひとつ

弊社では、プログラミング教室の運営に加え、情報Ⅰを学び直せるeラーニングカリキュラムの開発など、幅広くIT教育事業を展開しています。ご興味がありましたら、ぜひお問い合わせください。

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記事作成者

けろし

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