炊飯器の蓋が開かない!?

先日、家に帰ると何故かダイニングテーブルの上に炊飯器が置かれていました。
 何事かと妻に尋ねると、「炊飯器の蓋が開かなくなった」との事。
 なんだそりゃと思いましたが、確かに蓋を開けるためのボタンは押し込む事が出来るのですが、まったく蓋が開きません・・・。
 購入から一年にも満たない新しい製品なので、壊れてしまったとは考えにくい。
 電気的に蓋を開閉するような機構がある訳でもないので、構造的な問題としか思えません。
 取扱説明書に「蓋が開かなくなった場合は?」なんて事が書かれてる訳もなく、色々といじっては見ましたが一向に解決する気配はありません。
こんな事で困ってる人なんていないだろうな・・・と思いつつ、ネットで検索してみたのですが、意外な事に結構な件数がヒットするんですね。
 原因には各メーカー様々なものがあるようですが、家で使っている型式から調べると、どうも構造的に蓋が開きにくくなるような事象があるようです。
 解決策までは見つからなかったので、翌日、妻がサポートセンターに問い合わせたのですが、やはり同様の問い合わせが多いのか、症状を伝えただけで「その件ですか、ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と慣れた様子だったみたいです。
 で、とりあえず「炊飯器を横に向けて置いて、上からトントンと叩いてもらえますか?」
 とアドバイスされたそうです。
なんだ、その原始的な方法は・・・と聞いた時は笑ってしまいそうになりましたが、何とそうする事でコロリと音を立てて、どこぞに詰まっていた米粒が一粒落ちる音がしたそうです。
 その後、無事に蓋を開ける事が出来、一件落着となりました。
 まったく、ソフトウェアにせよ、家電製品にせよ、どんな不具合がどんな原因で起こるか予想だにつきません。
 きっと、炊飯器の設計者も米粒が蓋の開閉を行う機構部分につまってしまうなんて考えもしなかったんでしょうね。
 さらに、もし弊社が炊飯器開発のテストを請け負っていたとした場合(うちは基本的にソフトウェアが専門ですが・・・)、このトラブルを防ぐためのテストを抜かりなく行う事が出来たであろうか、なんて職業病的な妄想までしてしまいました。
 しかし、炊飯器もそうですが、ソフトウェアでも万が一の不具合が発生してしまった場合には、その後の対応が非常に重要になってくると思います。
 今回の件では、お客様からの連絡をもとに、原因をしっかり調査して究明。
 対策を講じて、以後再発したトラブルに対して真摯に対応した。という様子が見えてきたので非常に好感が持てました。
 ソフトウェア開発の現場では、非常にレアケースでしか発生しない原因不明の不具合を、開発者はついつい見なかった事にしてしまう(しまいたい)。
 なんて事があるように思います。(もちろんあってはいけない事ですが。)
 どんな小さな不具合も見逃さず、徹底的に原因と対策を講じる事が出来るソフトウェアデバッグのプロフェッショナル。
 今回の事件?で、改めて、我々のあるべき姿を再認識させてもらう事が出来たように思います。
